グッピーと塩
2004/02/03
■ グッピーと塩の関係
1. グッピー病は塩で治る | × |
2. グッピー病は塩で予防できる | △ |
3. グッピーの病気は塩で治る | △ |
4. 塩で消毒できる | △ |
5. 塩を使っていると、グッピーの免疫力が下がる | × |
6. グッピー飼育には塩が不可欠だ | △ |
7. 塩を入れる時や抜く時は、ゆっくりやらないといけない | △ |
■ 解説
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グッピー病に塩は効果がありません。 塩で直るようなものなら、
これ程までに問題視される事もなかったでしょう。 効いているように見えるのは
「あくまでも予防的な見地」と思います。 予防に効くから治療に使えるというものでもありません。
効く場合もありえますが(2項参照)、基本的に「効かない」と考えていたほうが、
誤った方向へ思考がズレて行く危険が少ないでしょう。
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「グッピーは塩を入れても大丈夫だから、塩で殺菌。」という考え方が横行していますが、
基本的に「グッピーは塩分を好む。」と考えるべきだと思います。
グッピーの好む環境であれば病気になる危険性は減るし、回復もしやすいでしょう。
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グッピー病・ハリ病を除く一般の魚病の多くに塩が有効である事は否定できません。
しかし塩分を好む病原もある事を忘れてはいけません。
- 海水魚は病気にならないか。
- 塩分のある水槽では生物ろ過は効かないのか。
を考えてみて下さい。
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3項の通り。
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3,4項に書いた通り、塩分を好む病原も当然存在します。
塩分のある飼育水中でもグッピーは日々、塩分を好む病原たちと戦っているはずです。
淡水を好む病原に対する体質(抵抗力)と、塩分を好む病原に対する体質の違いですから、
グッピーの免疫力が落ちるとは言えません。
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2項に書いた通り、グッピーは明らかに塩分を好みます。
塩を入れないと飼えない分けではありませんが、 いつでも入れられる環境作りを心がけておくと安心です。
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これは少々危険な考え方です。 魚がショックを受けないように、
ゆっくり馴染ませるのは間違いとは言えませんが、
魚に優しい=病原にも優しい
ことを忘れてはいけません。
これは塩だけでなく、全ての病魚薬にも言えることです。
ゆっくり1週間もかけて塩抜き・薬抜きを行うと、
塩や薬に耐性を持った病原を作ってしまう可能性があります。
また、予防の為に薄い濃度で使用する場合も同様です。
問題なのは「ゆっくり」にかける時間で、 1週間も2週間もかけるのではなく、
半日程度で済ませるべきと思います。
ちなみに健康な状態のグッピーは、 一気に塩抜き(塩分1%で飼育していた水をほぼ全部抜き、
塩分を含まない水を注ぎいれて、以降塩を追加せずに飼育すること)を行っても全く大丈夫です。
■ 塩を入れる時は
塩を入れるとすると、基本的に1%程度ですが、細かく計る必要はありません。
だいたいで結構ですが、先に書いたように薄く入れるのは良くありません。
水草を入れて飼育している水槽に塩を入れる事は勇気が要ります。
ウィローモスは1%未満なら生育できることは確認しましたが、他の水草は枯れそうですね。
アヌビアスやアナカリスあたりなら大丈夫かもしれません。
■ 塩の弊害を考える前に
私が思うには「まず飼育自体を確立するべき」。
最終的な目標として「グッピーを水草の入った水槽で飼いたい」
「でもグッピーがうまく飼えない」のであれば、
まず水草は入れずにグッピー飼育に専念し、
問題をクリアーして自信が付くまでは我慢しないと、
原因となる要素が多くなり、原因を絞込むことが余計に難しくなります。